高富屋のネタ帳

小噺ネタを上げます。落語が好き!!

江戸の小噺 ふたつめ

今日も一つ、小噺ネタにお付き合いください。

 

海老床

 


 昔は、床屋さんの事を、髪結床、床、なんて言ったんです。

入り口の障子のところに、 達磨の絵が書いてあって、達磨床、海老の絵が書いてあって、

海老床なんてね。

また、 この海老の絵が上手く書いてあったんだそうですね、だから通りすがりのやつが。

 

町人1「おおい、源ちゃん源ちゃん、ええ

   この海老床の海老、上手く書いてあ

   るなぁ。」

町人2「本当だ、上手く書いてあるなぁ。」

町人1「まるで生きてる様だな。」

町人2「死んでるな。」

町人1「お、この野郎、まともに逆らうな

   よ、俺が生きてるって言ったら、

   おめぇも生きてるって言え。」

町人2「お前はねそれがいけない、これは

   絵なんだから、生きてる訳ない、

   死んでるよ。」

町人1「生きてる。」

町人2「死んでる。」

町人1「生きてる。」

町人2「死んでる。」

町人1「生きてる、しょうがねぇな。

   あ、隠居さんが来た、隠居さんに聞い

   てみよう。

   ねぇ隠居さん。」

隠居「なんだい。」

町人1「この海老床の海老、上手く書いて

   ありますねぇ。」

隠居「おお、本当だ、上手く書いてある

   なぁ。」

町人1「生きてる様ですよね。」

隠居「いや、生きちゃいないな。」

町人2「やっぱり死んでますよね。」

隠居「いや、死んでもいないな。」

町人1「じゃ、この海老、どうなってます。」

隠居「患ってるよ。」

町人1「患ってる。」

隠居「よーく見てご覧、ちゃんと、床に

   ついてる。」

 


きれいな下げでございます。

こういうきれいな下げがあると思えば、逆に少し下品な話もあります。

 

 煙草のヤニ

 

 昔、あるところに、吸った煙草の煙を、目からでも、耳の穴からでも出せる男がおりま

して、お城の殿様が、それは面白いってんで、その男を城に呼びまして。

 

殿様「これ、吸った煙草の煙を、目からで

   も、耳の穴からでも出せると言うの

   は、その方か。」

男 「御意にございます。」

殿様「ほほぅ、面白い、されば、吸った煙草

   の煙を、目から出してみせぃ。」

男 「かしこまりました。」

 

ってんで、男をキセルをぱくりっとくわえましてね。すると目から煙がもわーっ

と。

 

殿様「ほほぅ、面白いやつ。されば、吸っ

   た煙草の煙を、耳の穴から出してみ

   せぃ。」

男 「かしこまりました。」

 

ってんで、男をキセルをぱくりっとくわえまして、ん、と、すると耳の穴から煙がもわ

ーっと。

 

殿様「ほほぅ、面白いやつ、されば、吸っ

   た煙草の煙を、尻の穴から出してみ

   せぃ。」

男 「え、あ、は、ああ、かしこまりま

   した。」

 

ってんで、男をキセルをぱくりっとくわえまして、ん、ん、うーん、んーん、ブチュブ

チュブチュブチュ、ウニュ、ポッチョン。

 

殿様「これ、その方、なんであるか、

   それは。」

男 「へえ、煙草のヤニがつまっており

   ました。」

 


今日はこんな下品なままで明日に繋げます。

明日も良い日ですので、是非遊びに来てください。