江戸の小噺 十と三つ
丁稚奉公
昔は丁稚奉公に出して商いを覚えさせて、奉公明けに自分の商いをしたり、
のれんを分けてもらったりして商いをしたもんです。
ある子供が丁稚奉公に出ることになり、お店の主人とはじめての面談をすることになりました。
、
主人「家業はなにか?」
子供「へい、か・き・く・け・こ、です。」
まぁ、子供というのは素直が一番ですな。
木火土金水
八五郎「ねぇ、隠居、世の中のものは、すべて木火土金水(もくかどこんすい)から割り出されている、てぇ事を聞いたんですけど、本当ですか。」
隠居 「ああ、そう言う事を言うな。」
八五郎「じゃ、泥棒なんてぇのも、木火土金水から割り出されているんですか。」
隠居 「ああ、そうだとも、まず、どろ・ぼう、と言うくらいだから、土と木に縁がある。」
八五郎「はあはあ。」
隠居 「泥棒は白波とも言うだろ、波と言うくらいだから、水にも縁がある、それにひるトンビとも言うから、火にも縁があるな。」
八五郎「最後のひ・るトンビ、ってぇのは苦しいけど、ちゃんと木火土金水から割り出さ れてるんですねぇ、泥棒で土と木、白波で水、ひるトンビで火と、ね、あれ、隠居、 これじゃあ、木・火・土・水ですよ、ひとつ足りませんよ、金(きん)がありませ んよ、金(きん)、金(かね)はどこへいっちまったんですか。」
隠居 「なぁに、金(かね)が無いから、泥棒をするのだ。」
うまいこと言ったもので。
でも、盗んじゃいけません。ちゃんとお金を払って買い物しましょう。
今日のところはこんなところで。