江戸の小噺 十と四つ
人生で一番幸せな日
まもなく結婚する男のところへ、彼の友人が訪ねてきて、握手をしながらこう言った。
男1 「おめでとう、わが友よ。今日こそ君の生涯で最も幸せな日だ。」
男2 「でも、結婚式は明日だぜ?」
そう答えると、
男1 「知ってるよ。」
その友人は答そうえた。
男1 「だから、今日が一番幸せな日なのさ。
まったくもって、何が幸せか、わかりませんね。だから結婚もしてみないとわからないです♫
幸せを探そうじゃありませんか。
火事の息子
昔は、火事がたいへん多ございまして、江戸残らず焼いたなんてぇ事もあったんだそう でございますが、ただ今は、消防が行き届いておりまして、そう大火はございません、火 事の夫婦が相談をしまして。
火事の夫「このごろは、消防が行き届いて、いまいましいったらありゃあしねぇ、俺たち 商売上がったりじゃねぇか、燃え上がる事が出来やしねぇ、俺はな、明日あたり 田舎の方へ行って、燃え上がってやろうと思うんだよ。」
火事の女房「ああ、お前さん、それがいいよ、田舎の方へ行って燃え上がれば。」
なんてんで、火事の夫婦が相談をしてますと、そばから、子供が。
火事の子供「坊や(小火)もいっしょに行くよ。」
なんてんで、小火までなくなってしまったそうです。
寒くなってまいりました。
くれぐれも火の始末はきちんとしていただきますよう。